スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

真夜中の鬼畜肛門科医序章

鬼畜肛門科医シリーズを本当に文に起こし始めた。




その日の昼、僕は自分の身体の異変に気付いた。便秘だ。
いつもは胃下垂気味でスルスルと上から下へ摂取・排泄される消化気管が、そういえば4日前くらいから排便のみを滞らせている。

一度気付くと、気になって仕方が無くなる。

授業中もクラブ中も常に頭の片隅には便秘の事があり、気が気ではなかった。

その精神的重圧が、僕をどうにかしてしまったのかも知れない。

普通に考えたら、単に家にある母親の便秘薬を拝借し、飲めば良いだけだったのだ。

あろうことか、僕はあの医者の元を訪れてしまったのだ。


そう。「鬼畜肛門科医」は単なる都市伝説ではなかったのだ…

~OP~


便秘による下腹部の不快感は鈍くAを支配し、ラクロス部の練習もサッパリだった。
そんな最悪のコンディションにも関わらず、明日は今年度最後の試合の第一回目。明日勝ち抜かなければ一つ上の先輩は引退してしまう。
どうしようもない焦燥感を胸に帰路に付くAに、とある看板が目に入った。
通学路にこんな看板、前からあったろうか。

「ぢ・便秘・下痢・なんでもござれ。懇切丁寧。〇〇肛門科」

肛門科なら自分の不快な便秘の解消法が分かるだろうか。と思いながらAは立ち止まり、まじまじと看板を見ていた。
意外にもAの住む家から近く、そして何より彼が驚いたのは以下の文面である。
「診療時間:午後2時~深夜2時」

部活動を終え、現在の時刻は10時を回ろうとしている。(それでもまだ診療時間内だって?)
その場でAは財布を確認した。確信していた通り、そこには診療には充分であろう紙幣が収まっていた。
(立て替えておいて、後でお母さんに請求しよう。)
彼の心は、この便秘を一刻も早く解消したい。その事しか頭になかった。



たどり着いたのは小さな診療所だった。

白い外壁に青い蔦がみっしりと張り付いている。かろうじて入口のまわりには蔦が絡んでいないのは誰かが手入れをしているからだろうか。一面が青に覆われている中、黒い木製のドアーは、遠目にみると、まるで洞穴の入口のようにも見えた。
そのすぐ上に掛けられた看板には「〇〇肛門科」と剥げかかった字で書かれている。
何か、禍々しいオーラを放つその建物にAは怖じ気ずいた。

が、そんなAの頭によぎったのは、入部当時よりお世話になっているB先輩の顔だった。
すぐに思い直し、Aはドアー手の部分に書かれた「押す」という指示通りドアーを押し開けた。

ラクロス部で特にいつも面倒を見てくれていた先輩であるB先輩。
彼は高校卒業後、運送会社への就職が既に決まっている。
ラクロスは続けないのか?といつだったかAが聞いた時、彼はこう言った。

「続けたいに決まっているだろう。…でも続けられないんだ。」

ラクロスはチームプレイだ。ラクロスの社会人チームはメジャースポーツよりは数が少ないものの確かに存在する。しかし休みが明確に定まらない運送業において、そういったチームに在籍するのは不可能に近い。
「次の大会が俺の最後のラクロスの試合になる。」
彼は練習中に、ふとそう呟き、生温くなったスポーツドリンクを勢いよく煽った。
荒っぽく喉を鳴らして飲み干すその行動は、まるで自分が呟いた言葉を認めたくないようにAの目には移った。


扉を押すとチリリンと控え目な鈴の音が鳴った。
外観に比べ、その診療所の内部は広く感じた。黒と白を基調としているのか、お洒落な印象を受けたが、ところどころ塗装が剥がれ掛けているのを見ると、年季が感じられる。
カウンターらしき場所に人影は見えない。

Aは半ばドアーを開いた事を後悔した。しかし、ここまで来たのだ、今更ドアーを引いて帰る気はしなかった。
試合の事もあったが、何より彼の好奇心がそうさせた。

「あの…すみません」

小声で廊下の奥に向かって声を掛ける。

………

誰もいないのだろうか。

そう思った矢先、廊下の奥より足音が聞こえた。

コチリコチリと近付く足音は、Aが愛用している目覚まし時計の秒針の音と、どこか似ている。

「ようこそ。いらっしゃいませ」

声と共に現れたのは長身の男だった。
足元から男をみた彼は、その男の病的な身体に目を見張った。
男が白衣の下から着ている黒のボディスーツには彼の肋骨の形がくっきりと浮かび上がっているのだ。

それを認識した彼は、恐る恐る男の顔に焦点を合わせた。

濡れた烏のような漆黒の髪、銀フレームの眼鏡、こけた頬、見開かれた目、首もとまであるボディスーツには身体中の筋が浮かび上がっている。その上に羽織る白衣はまるで使用感が無く、室内の照明に青白く反射する。
(こいつが一番病的じゃないか)
一気に不安になったAに男は身体に似合わぬハッキリと透った声で尋ねる。

「さて、子羊ちゃん。今日は何処か悪いところでも?
ここは知っての通り診療所だ。君はここに何か求めて来たんだろう?ん?
それとも、夜の町で痴女に襲われそうになって、ここに逃げてきたのかい?
あはぁ、さては……口裂け女か。」

男は口をイーと横に開ける。八重歯が二本覗き、それはまるで怪物のような形相だった。

「口裂け女に襲われそうになったらね。鼈甲飴を投げるんだよ。」
「そう、鼈甲飴といえば面白いエピソードがある……」

延々と語り出す男にAは踵を返そうと無言で後ろを向いた。
瞬間、Aは肩をUFOキャッチャーのクレーンのようなものに掴まれた。驚いて振り返ればそれは医者の骨と皮しかついていないような手だった。

「…御困りなんでしょう?」
彼は顎を引き、目を細め、まるで勝ち誇ったような笑みで呟いた。

うって変わって、眼球が零れ落ちそうな程、目を見開き医者は言った。

「さぁ、本日は如何なさいましたか?」

Aはクレーンに両肩を掴まれたままだった。
その骸骨の様な手は今や力が込められ、Aの制服のジャケットにミシミシと有り得ない音を立てさせているのだった。

~つづく~


〇整理
A(仮)…高2でラクロス部。金持ち。計画性が無い。普段は下痢持ち。
B(仮)…高3でラクロス部。新年度から運送業。
〇〇診療所…小さな診療所。ツタだらけ。玄関は黒と白で統一されているが、剥げかかっている。
鬼畜肛門科医…ガリガリ。身長が高い。銀フレームの眼鏡。黒髪。表情豊か。おしゃべり。足音がコチリコチリ。
*ただし、鬼畜肛門科医に限っては内容を変更する可能性あり。今回は大変気持ち悪い奴になってしまったが、これでは後に現われる泌尿器科の悪魔の気持ち悪さが薄らいでしまう。なのでもう少し格好良く、無口にする必要があるが、そんな人間は私には描ける気がしないのが現状。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ムチ麿+

Author:ムチ麿+

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。