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もやし炒めのバラード

もやし炒め…私は今やその言葉を聞いた直後には、過剰分泌された唾液を嚥下したければならない……。

もやしと豚薔薇肉……出会うべくして出会った彼等の切ない愛の物語…

片や薄暗い部屋でひょろひょろと育ったヘタレの野菜、もやし…
片や食われる為に丸々と太った豚の、そのあばら骨を守っていた戦士、薔薇肉……

境遇の違う二つの食材が出会った時、物語は幕を開く…
フライパンという舞台で繰り広げたカルメンのごとく情熱的ダンス。

ああ今まで何故、彼等は離れ離れだったのか!窓を開けて叫び出しそうになる思いを必死で落ち着かせ、私は、その代わりとばかりに激しくフライパンを揺さぶる。

二つの食材は寄り添うように絡み合い、一つの旋律を紡ぎ出す。
彼等を温かく補佐する塩と胡椒のツインデュオ…そのバックコーラスと相まって、旋律はキッチン全体に広がる大音量の譚歌(バラッド)となっていくのだ。

火を止め、皿によそうのももどかしく、それを一口、口に入れた瞬間、広がる地平…
さながら昔見た映画、「サウンドオブミュージック」の草原での一場面を彷彿とさせる。

ー♪ドゥはドゥナツのドゥ、レィはレィモンのレィーーー………



……ヘタレのもやしと気の強い豚薔薇肉が最期に得た一体化という幸福…
私はそれを余す事なく咀嚼し飲み込み、二つの食材が巡り会った奇跡に私は感謝するのだ。


もやし炒めは、私の体内に入り栄養素を吸収され、やがては私の血肉となるだろう。

そう、彼等は決して死んでなどいない……
私の身体の一部として彼等は生き続けるのだ。

私は、もやし炒めを食べたという咎を負ってこれからも生き続ける。
それが、もやしと豚薔薇肉に対するせめてもの餞なのだ……
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